世界初の紙幣「交子」誕生から千年 四川省成都市で記念イベント

ソース:新華社作者: 2024-01-15 15:29

「交子」をイメージにした「デジタル人民元ハードウォレット」。交子金融博物館に展示されている。(2023年12月27日撮影、成都=新華社記者/唐文豪)

 世界初の紙幣「交子(こうし)」が千年前に誕生したことを記念する「成都交子金融大会」が12日、中国四川省成都市の交子金融博物館で開かれた。中国人民銀行(中央銀行)や上海証券取引所、中央財経大学などの専門家100人余りが出席し「交子文化とフィンテック、西部金融センターの建設」をテーマに意見交換した。

 北宋時代の1024年1月12日、世界最古の中央銀行と言われる「益州交子務」が成都に設置された。交子は世界の貨幣史上初めて官営で発行された紙幣とされる。「千斯倉」版や「行在会子庫」版などの拓本から、当時の姿をうかがい知ることができる。

 中国銭幣学会の楊君(よう・くん)副秘書長によると、日本の著名な貨幣学者、奥平昌洪氏が1938年出版の著作「東亜銭志」で「千斯倉」版を取り上げている。

 現在の成都は金融取引高が中西部地域最大で、外資系銀行・保険会社、A株上場企業の数も地域最多を誇る。金融業の2023年1~9月期の増加値(付加価値額)は1974億1千万元(1元=約20円)と市の域内総生産(GDP)の12・3%を占め、同10月には人民元と外貨を合わせた貸出残高が初めて6兆元の大台を超えた。

 人民銀などの部門は21年12月に「成渝(成都・重慶)西部金融センター共同建設計画」を発表。成都、重慶両市を東アジア、東南アジア、南アジアの「一帯一路」共同建設国・地域にサービスを提供する金融センターにする構想を打ち出した。金融大会では「一帯一路」金融サービスの強化を進める「新華シルクロード西部センター」のプレート除幕式も行われた。

 会場では「中国『双創(大衆創業・万衆革新)』金融指数2023」も発表された。成都は全国5位、中西部地域では1位だった。千年にわたる交子文化の遺伝子を受け継ぐ金融イノベーションが、新時代の成都で新たな輝きを放っている。

編集:董丽娜

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