江蘇省で崧沢文化後期の大型墓を発見 環太湖流域で初

ソース:新華社作者: 2024-11-25 15:47

東山村遺跡で見つかった崧沢文化後期の高位者大型墓「M125墓」。(ドローンから、南京=新華社配信)

 中国江蘇省文物局は23日、同省張家港市の東山村遺跡で新たな発見があったと発表した。中でも新石器時代・崧沢(すうたく)文化後期の高位者大型墓(M125墓)の発見は、環太湖流域における同時代の大型墓の空白を埋めた。

 馬家浜(ばかほう)文化と良渚(りょうしょ)文化の間に位置する崧沢文化の年代は約6千年~5300年前。長江下流の太湖流域の重要な文化期とされる。遺跡は張家港市金港街道東山村にあり、西は香山、北は長江を臨む。馬家浜文化と崧沢文化の堆積を中心とする新石器時代の大型遺跡で、2009年度の中国十大考古新発見に選ばれた。

 2023年以降は遺跡の内部配置の解明と巨視的構造の確認を巡り学術発掘調査が行われ、これまでに紅焼土の堆積区域4カ所、墓17基、住居跡1カ所、灰坑20カ所、灰溝1カ所、井戸1カ所を発見した。

東山村遺跡で見つかった崧沢文化の紅焼土を使った祭祀広場と大・中型墓。(ドローンから、南京=新華社配信)

 今回は新たな成果として①崧沢文化の高位者墓地の範囲が2千平方メートル以上、墓地全体の範囲が1万3千平方メートル以上に拡大し、新たに高位者の大・中型墓計17基を発掘②崧沢文化後期の高位者の大型墓が初めて確認され、遺跡が崧沢時代の初期から後期の長期にわたり繫栄した事実を確認③初めて紅焼土を用いた崧沢文化期の祭祀(さいし)広場と幾つかの祭祀坑が見つかり、社会の複雑な発展状況を確認-の3点が示された。

 考古学専門家は、今回の新発見で東山村遺跡が中華文明の形成が加速したとされる古国時代の第1段階(5800~5200年前)の代表的な遺跡であることを改めて裏付けたと指摘。これまでに崧沢文化の高位者墓地、大型住居跡、紅焼土を使った祭祀広場、祭祀坑、大型墓と小型墓の区画分けなどの重要な遺構が明らかになった東山村遺跡は、一般的な集落よりも地位が高く、安定した政治機構が存在していたことを示唆しているとの見方を示した。

編集:董丽娜

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