夏王朝の地域中心集落遺跡を発見 二里頭遺跡と高い一致性 中国河南省

ソース:新華社作者: 2024-09-18 10:21

11日、八里橋遺跡の発掘現場。(ドローンから、南陽=新華社記者/袁月明)

 中国河南省文物考古研究院は13日、「考古中国・夏文化研究」プロジェクトで大きな進展があり、同省南陽市方城県の八里橋遺跡が地理的重要性や規模、内容、文化において夏王朝後期の都城遺跡「二里頭遺跡」と非常に一致することが分かったと明らかにした。今回の発掘・研究は夏王朝の地域的中心集落に関する研究の空白を埋めるものとなった。

 発掘の責任者を務めた同研究院の王豪(おう・ごう)氏は「探査により複数の溝状遺構が遺跡の南側を五つの区域に分けていることが分かった。二里頭遺跡の『多重格子』配置に似ている」と述べた。

 方城県は南陽盆地の北東隅に位置する。遺跡の現存面積は135万平方メートルで、豫南(河南省南部)地域で発見された二里頭文化の集落の中で最も規模が大きく、等級も高い。同研究院が2022年以降、南陽文物保護研究院と体系的な考古学調査を行い、これまでに1800平方メートルを発掘。作業は現在も続いている。

 八里橋遺跡で見つかった大規模な版築建築の基礎。(南陽=新華社配信)

 王氏は「遺跡は機能区が整い、塀や道路などのほか、土を突き固めた『版築(はんちく)』の大型基礎や祭祀坑(さいしこう)などの重要遺構が見つかり、土器や玉器、緑松石(トルコ石)器が出土した」と説明。これらの遺物は遺跡が高い生産力と地位を持っていたことを顕著に示していると述べた。

 発掘調査では、遺跡が夏王朝文化の影響範囲が拡大し始めた重要な時期に形成され、黄河中下流域の中原地区の中心地と長江中下流の江漢平原を結ぶ要衝だったことが分かった。王氏は、八里橋遺跡が南方に対する備えと、南方の銅鉱石や緑松石、朱砂(すさ)などの資源を王都に送る中継地点としての役目を担っていたとの見方を示した。

 河南省文物考古研究院の梁法偉(りょう・ほうい)副院長は「八里橋遺跡の集落配置や機能区分、土器の組み合わせ、器物の形態、精神生活は二里頭遺跡と高度な一致を保っており、両者の間に深い内在的つながりがあったことを示している」と説明。二里頭文化に代表される夏王朝の文化が南へ拡大する中での重要な地域的中心集落で、同文化の地方都市・集落の形態や社会構造を知る新たな手がかり、考古学上の重要な進展になったと語った。

編集:董丽娜

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