奉国寺大雄殿の釈迦牟尼仏像（しゃかむにぶつぞう）。（５月１４日撮影、錦州＝新華社記者／崔師豪）

　中国遼寧省錦州市義県にある奉国寺は千年の歴史を誇る古刹で、創建は遼の開泰９（１０２０）年にさかのぼる。中国に現存する遼代の三大寺院の一つで、中国古代から現代まで残る最も壮大な単層木造建築でもある。

　世界最大規模の彩色塑像群が保存されており、大雄殿の内部に進むと高さ９メートルの仏像７体が目の前に現れる。どの仏像も左右に２体ずつ脇侍菩薩が配され、計１４体が向き合って立っている。

奉国寺大雄殿の倒座観音像（とうざかんのんぞう）。（５月１４日撮影、錦州＝新華社記者／崔師豪）

　大雄殿の内部には美しい彩色画も描かれている。義県文物局の王飛（おう・ひ）元局長は「遼代の彩色画の総面積は４千平方メートル以上あり、梁と内側の斗栱（ときょう、ますぐみ）に集中している。うち４２枚が飛天図で、中国建築の彩色画史上非常に珍しい」と話す。

　奉国寺は１９６１年に全国重点文物保護単位（国宝・重要文化財）に指定され、２００９年には国家４Ａ級（上から２番目）観光地に認定された。１２年には国連教育科学文化機関（ユネスコ）の世界文化遺産暫定リストに記載された。（記者／崔師豪、丁非白）

雨上がりの奉国寺の風景。（錦州＝新華社配信）

奉国寺大雄殿の倒座観音像を見学する人々。（５月１４日撮影、錦州＝新華社記者／崔師豪）

遼・金時代の奉国寺の復原模型。（５月１４日撮影、錦州＝新華社記者／崔師豪）