彫刻刀で木の根に「命」を吹き込む「根彫」 江西省の無形文化遺産

ソース:人民網日本語版作者: 2024-05-22 13:59

「根彫」の作品を制作する江西省級無形文化遺産「根彫」の代表性伝承人・劉四喜さん(撮影・孔文進)。

 中国には木の根に彫刻をする「根彫」という手工芸がある。材料を選び、構想を練り、形を整え、加工し、磨き上げると、木の根に新たな命が吹き込まれ、芸術作品となる。江西省宜春市宜豊県橋西郷のアトリエに足を運ぶと、省級無形文化遺産である「根彫」の代表性伝承人・劉四喜さんが「根彫」の作品を制作していた。

 小学校の時に中国の伝統絵画「国画」に、中学生の時には「根彫」に出会った劉さんは、少しずつ芸術家への道を歩んでいき、「根彫」を制作して生計を立てるようになっていった。劉さんの作品は観光客に人気となったほか、各コンテストで大賞を次々と受賞してきた。

 劉さんの作品は、昔や現代の人物、鳥、動物、花、魚、昆虫などをテーマにしており、「特に人物をモチーフにする時は、そのイメージや特徴を十分に引き出すようにしている。そのため、特に人物の体や表情、仕草などの特徴をデザインすることを重視している。何でもないようなちょっとしたことが、全体を引き立てる重要な役割を果たす」としている。

 そして、「『根彫』の作品を作り上げるには時間がかかり、高い技術も必要で、孤独に耐える忍耐力が必要だ。それは、『根彫』の技術を伝承していくのが難しい原因の一つでもある。これまで、40年以上にわたって弟子を育ててきた。一人前になり、『のれん分け』した職人も多い」とする。今は第一線から退いているという劉さんだが、引き続き作品を制作しながら、学校やコミュニティで頻繁に活動を行うことで、ますます多くの人が「根彫」を知り、それを愛するようになっているという。

劉さんが使っている彫刻刀(撮影・孔文進)。

弟子と技術について意見を交換する劉四喜さん(撮影・孔文進)。

編集:董丽娜

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