馬王堆漢墓、発掘完了から50年 中国・長沙市

ソース:新華社作者: 2024-05-22 09:59

16日、湖南博物院の馬王堆漢墓展示室を見学する来場者。(長沙=新華社記者/薛宇舸)

 中国湖南省長沙市にある前漢時代の墓群「馬王堆(ばおうたい)漢墓」が1974年の発掘調査完了から今年で50年を迎えた。

 市東郊の五里牌の外にある同墓群は半世紀以上前、馬の鞍(くら)の形に連なった二つの高い盛り土があることから地元では「馬鞍堆」とも呼ばれていた。1972年1月16日に大規模な発掘調査が開始。前漢の長沙国で丞相(じょうしょう)を務め、軑侯(たいこう)に封じられた利蒼(り・そう)一家3人の墓が日の目を見ることになった。

 セミの羽のように薄い織物「素紗単衣(すしゃたんい)」、きらびやかな刺しゅうを施した織物、失われた文献を含む13万字余りに上る帛書(はくしょ、絹布に書かれた書物)や簡牘(かんどく、文字を記した竹札や木札)、木俑(もくよう、木製の人形)、陶器などさまざまな品々が相次いで発掘された。

 2千年以上も地下に眠っていた1号墓の被葬者、利蒼の妻「辛追(しんつい)」の発見は驚きをもって受け止められた。発掘された際、皮膚の下の軟部組織には弾力があり、手足は自由に曲げ伸ばしでき、まつげ、足の指の指紋、耳の鼓膜なども良好な状態で残されていた。

 墓3基の発掘調査は74年1月に完了。計3千点(セット)余りの遺物が出土し、前漢時代の研究に豊富な資料を加えることになった。

13日、湖南博物院の馬王堆漢墓展示室に展示された「素紗単衣」。(長沙=新華社記者/薛宇舸)

13日、湖南博物院の馬王堆漢墓展示室に展示された木俑。(長沙=新華社記者/薛宇舸)

編集:董丽娜

文章と写真の著作権は元の作者に属します。侵害があれば、削除に連絡してください。