安徽省の無形文化遺産、ライブコマースで人気
ソース:新華社作者: 2024-01-11 15:50
「徽墨(きぼく)」の製法を受け継ぐ項(こう)家の4代目で1990年代生まれの項頌(こう・しょう)さん。(2023年11月7日撮影、黄山=新華社記者/趙金正)
中国安徽省黄山市の歙(きゅう)県では交流サイト(SNS)やライブ配信プラットフォームの急速な発展に伴い、無形文化遺産の伝承者たちが若者向けのグッズ開発やライブコマースなどを手がけるようになった。同県は「中国徽州文化の里」とも呼ばれる。県内には無形文化遺産の代表的項目が170件あり、うち国家級が6件、省級が24件を数える。
名墨として知られる徽墨(きぼく)の製法を受け継ぐ項(こう)家の4代目で1990年代生まれの項頌(こう・しょう)さんを訪ねると、月のクレーターやレトロなゲーム機、漫画風の猫の足跡などをかたどった徽墨がライブ配信スタジオでスポットライトを浴びていた。伝統的な形にこだわらず、目新しいトレンドを取り入れた徽墨は、若いネットユーザーの人気を集めている。
項さんが自ら無形文化遺産のPRと販売を行っている。ゲーム機型の徽墨を手に取りながら、イノベーションによって無形文化遺産がネット上で広く知られるようになり、若い世代にとってもより身近な存在になったと話した。徽墨を販売するオンラインショップは盛況だという。
同省の無形文化遺産に指定されている歙硯(きゅうけん)の伝統的制作技法の代表的伝承者、程礼輝(てい・れいき)さんもライブコマースで「歙硯の彫刻技法を用いて作られた茶盤、茶托、ペンダントです」と自ら販売。若者向けにデザインした製品は価格が手頃で、実用性も高いと評判を呼んでいる。
程さんは「生配信で多くの消費者のニーズを知り、デザインの改善につなげている。30万元(1元=約20円)以上の製品が売れたこともある」と説明。インターネットを通じて多くの若者の目が無形文化遺産に向くようになり、全国各地から注文が届くようになったと語った。
同県はここ数年、地元の特色ある無形文化遺産と農村観光を結び付け、オンラインプラットフォームを活用することで、文化・観光産業の発展につなげている。昨年の観光客数は100万人余り、観光収入は3億2千万元を超えた。
編集:董丽娜
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