鞍山市博物館で「海のシルクロード」文化に触れる 遼寧省

ソース:新華社作者: 2023-11-02 16:25

鞍山市博物館で展示された「清康熙青花雛菊紋菱口盤」。(資料写真、鞍山=新華社配信)

 中国遼寧省の鞍山市博物館で開催中の「海のシルクロードの遺物-『碗礁1号』沈没船および平潭水域発見磁器展」では、沈没船から引き揚げられた磁器65点を展示し、当時の海上シルクロード交易の様子を紹介している。

 「碗礁1号」沈没船遺跡は福建省福州市平潭県海域に位置する。沈没船は2005年に見つかり、同年、中国水中文化財考古チームによる発掘調査で計1万7千点余りの文化財が引き揚げられ、福州市博物館に収蔵された。

 引き揚げられた磁器は清代・康熙帝中期の景徳鎮民窯(民間経営の窯)で焼かれた磁器で、青花(白地に青く絵付けを施した磁器)が大半を占めるが、釉裏紅(ゆうりこう、銅を用いて赤く発色させた磁器)や単色釉、五彩器も少量ながらある。青花は多種多様かつ色鮮やか、大型調度品の装飾は精緻で、康熙年間の景徳鎮民窯における最高の製磁技術を反映している。

 展示品の中でも「清康熙青花雛菊紋菱口盤」が来館者の注目を集めた。この皿は、内側と外側の両方に雛菊(ヒナギク)を16輪ずつ絵付けした青花。専門家によると、ヒナギク文様は「翠菊(エゾギク、アスター)文様」とも呼ばれ、地中海の花を描いたもので、典型的な異国の文化的特徴が見られるという。引き揚げられた磁器の中には、13世紀の西アジア一帯の銀器に見られる形状や様式に似たものもあり、異国情緒にあふれていることなどから、同船が載せていた貨物は輸出品だったと推測できる。

 同博物館の担当者によると、「碗礁1号」沈没船遺跡は古代海のシルクロードの航路上にある。見つかった遺物のうち大半を占めていたのは磁器で、木製や石製、銅製の遺物はごくわずかだったが、そのほとんどは輸出品だった。同船は福州が海のシルクロードの起点で中継港でもあったことを示す重要な証拠になるとしている。

編集:董丽娜

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