復旦大学の合格通知書は復元された「開化紙」を使用

ソース:人民網日本語版作者: 2023-06-27 16:53

 復旦大学の今年の学部の合格通知書が公開された。今年の合格通知書には、同大学のテクノロジー成果を駆使して復元した「開化紙」が初めて採用され、有名な書道家のほか、教員や学生が合格通知書の本文を書き上げている。

 通知書の表紙は、新入生の希望やはつらつとした精神を表すブルーで、裏側には「博く学びて篤く志し、切に問うて近く思う」という復旦大学の校訓が書かれており、新入生に託す期待がそこに込められている。

 ニューバージョンの合格通知書には非常に薄い「開化紙」が採用されており、中華民族の奥深い歴史や伝統、復旦大学の高い科学技術がそこに詰まっていることは注目に値する。

 浙江省開化県に起源を発する開化紙は、紙質はきめ細かく、清らかな白さを持ち、薄さと強さを兼ね備えており、手作業で作られる中国の伝統的な紙の中では、「王冠の宝石」のような存在とさえ呼ばれている。開化紙は、明の時代から製造が始まり、清の時代に最盛期を迎えた。清の初期の貴重な書籍の多くに開化紙が採用されていた。しかし、清の中期以降になると、戦乱が頻発したことに加えて、原料のキガンピが少しずつ減少し、その技術が途絶えてしまった。

 2017年末、高分子材料や化学、生物、古典文献、文化・博物といった学科が共同で研究を重ね、復旦大学の科学研究チームが「開化紙」の技術を復元させた。復元させた開化紙の紙質は、軽くて、薄く、柔らかさと強さを兼ね備えており、玉のように白い。その理化指標は、すでに当時の古紙のレベルにまで近づきつつあり、1000年以上保存できると見られている。そのため、古籍の修復や書画の創作だけでなく、印刷にも適している。

 復元の過程で、科学研究チームは、非常に薄い紙の製造技術のボトルネックを打破した。また、原料となるキガンピを効率よく増やす遺伝子技術も画期的な進展を遂げ、質の高い伝統的な紙を作る「復旦の案」と「中国のノウハウ」を提供している。

編集:董丽娜

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