古代越文化の考古学調査に新たな進展
ソース:新華社作者: 2023-06-20 16:22
大湖頭遺跡から出土した越国の磁器製楽器。(資料写真、紹興=新華社配信)
中国浙江省紹興市はかつて会稽(かいけい)と呼ばれ、春秋時代に越国が都を置いた。浙江省の考古学者は2021年以降、同市越城区の越文化遺跡2カ所で発掘調査を実施。得られた発見は越国の物質文化史を大きく書き換え、都城の発掘調査を実施する上で重要な根拠をもたらした。
2カ所の遺跡は大湖頭遺跡と南山遺跡で、いずれも典型的な越文化遺跡とされ、主な文化層は東周時代(春秋戦国時代)に属す。
大湖頭遺跡は保存状態の良い集落遺跡で、建築基礎や灰坑、灰溝、井戸などの500カ所余りの遺構が見つかり、灰坑の一つからは原始磁器(灰釉陶器)の錞于(じゅんう、鼓楽器)3点と句鑃(くちょう、打楽器)6点が出土した。錞于は戦場で太鼓と共に軍勢の指揮に用いる円筒状の楽器で、句鑃は編鐘(へんしょう、打楽器)に似ている。いずれも通常は青銅製が多い。発掘調査の責任者を務める浙江省文物考古研究所の遊暁蕾(ゆう・ぎょうらい)館員によると、越文化遺跡から楽器のセットが出土するのは初めてだという。
遺跡からは陶器や石器、銅器も多数出土した。専門家は出土品に青銅製の道具と武器が数百点含まれることについて、一般集落でさえこれほどの多くの青銅器を所有していたことは当時の青銅器産業の規模の大きさを示していると指摘した。植物考古学調査ではイネとその他多くの遺物も見つかり、ブドウや地元の特産のカヤも含まれていた。
南山遺跡では、周縁部でこれまでに2万平方メートルを超える独立した大規模活動エリアを発掘。基壇3カ所を発見し、住居跡や灰坑、灰溝、柱穴、河岸斜面などの遺構千カ所余りが出土した。遺物は原始磁器や陶器、銅器が中心で、鉄器や石器、竹器、木器なども少量見つかった。大湖頭遺跡と同様に動植物の遺物が多数出土し、遺跡の発掘責任者を務める同研究所の徐新民(じょ・しんみん)研究員は、当時の越国の生業や経済の発達ぶり、社会の物質的豊かさを証明していると語った。
浙江省の越文化考古学調査では、これまでも紹興市の印山越国王陵や湖州市安吉県の越国高位者墓など墓に関する重要発見がある。今回の遺跡の現地説明会に参加した学者の多くは、越文化考古学が集落調査という新たな段階に入ったと指摘。遺跡と越国都城とは密接な関係があり、豊富な考古学発見は今後の都城調査に重要な根拠をもたらしたとの認識を示した。
編集:董丽娜
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