次世代への継承を目指す、伝統影絵劇「道情皮影」

ソース:新華社作者: 2023-05-12 10:03

「道情皮影」を学ぶ甘粛省慶陽市環県の中等職業専門学校の生徒。(3月14日撮影、慶陽=新華社記者/張睿)

 中国の伝統文化、影絵劇の故郷と呼ばれる甘粛省慶陽市環県に住む耿雍邦(こう・ようほう)さん(17)は環県中等職業学校の自動車修理学科に通う生徒で、影絵彫刻の愛好家でもある。毎日3時間、趣味の講座で学んでいる。同県に伝わる影絵劇「道情皮影」は、演劇や歌唱、絵画、彫刻、音楽など多くの芸術表現を一体化した古い芸術形式で、中国の影絵芸術の伝統的な姿が完全に保存されている。2006年に第1次国家級無形文化遺産リストに登録され、11年には中国影絵の一部として、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産にも登録された。

 県内には現在、劇団が40以上あり、300人を超える役者と60人を超える彫刻芸術家がいる。

甘粛省慶陽市環県の「道情皮影」。(3月15日撮影、慶陽=新華社記者/張睿)

 環県無形文化遺産保護センターの職員、呉存軍(ご・そんぐん)さんによると、「道情皮影」の担い手は多いが年齢構成に偏りがあり、最年少でも40歳代だという。後継者不足の状況を打開するため、地元では学校や社区(コミュニティー)で「道情皮影」の普及活動を進めている。また村での文化活動班の設立や祭りでの上演などを通じて、伝統的な「道情皮影」を守り伝えていく場を構築している。

編集:董丽娜

文章と写真の著作権は元の作者に属します。侵害があれば、削除に連絡してください。