西夏の仏典、活字印刷の中国起源を証明 西夏文化探訪
ソース:新華社作者:艾福梅 馬思嘉 馮開華 2024-11-29 14:12
世界最古の木活字印刷物と確認された西夏文字の仏典「吉祥遍至口和本続」。(銀川=新華社記者/馮開華)
中国古代四大発明の一つの印刷術は、中国の先人たちが人類文明にもたらした重要な貢献といえる。かつての印刷術は木版印刷と活字印刷の二つの段階に分けることができ、活字印刷はまた、膠泥(こうでい)活字や木活字などの変遷を経てきた。しかし、初期の膠泥活字と印刷物はさまざまな理由により出土しておらず、北宋・沈括(しん・かつ)の随筆集「夢渓筆談」に組版印刷が行われたとする記載があるのみで、世界の学者の一部が印刷術の起源に疑問を持つ要因になっていた。
11世紀から13世紀にかけて中国北西部に存在した西夏王朝の仏塔で見つかった西夏文字の仏典は、木活字の発明と使用時期を中国の元代から宋代にさかのぼらせ、中国人が活字印刷技術を発明したという歴史的事実を実証した。
西夏は現在の寧夏回族自治区銀川市に都をおいた王朝で遼、宋、金と並存し、189年間続いた。
寧夏回族自治区銀川市の西夏陵風景区で、西夏文字の木活字印刷を体験する子ども。(2019年10月2日撮影、銀川=新華社記者/馮開華)
寧夏文物考古研究所が、仏典が出土した仏塔の考古学調査に基づき編さんした「拜寺溝西夏方塔」によると、仏塔は密檐(みつえん)式の実心磚塔(せんとう=れんが塔)で、数少ない西夏の古塔であることが中央の木柱の西夏文字と漢字の題辞により分かった。1991年に塔が破損した際に行われた発掘調査で、9冊約10万字の西夏文字の仏典「吉祥遍至口和本続」が出土。1996年に中国文化部(現在の文化・観光部)が組織した専門家チームが、世界最古の木活字印刷物であり、中国の印刷史(特に活字印刷史)と活字印刷技術の研究に重要な価値を持つことを確認した。
自宅で自身が出版責任者を務めた「中国古代建築西夏仏塔」を見せる寧夏文物局元局長の雷潤沢(らい・じゅんたく)さん。(10月25日撮影、銀川=新華社記者/馮開華)
吉祥遍至口和本続は海外展示禁止文化財に指定され、現在は中国国家版本館に陳列されている。専門家によると、吉祥遍至口和本続や宏仏塔(寧夏回族自治区賀蘭県)出土の2千個余りの西夏文字木版の破片、甘粛省武威市で発見された膠泥活字印刷「維摩詰所説経」の全てが西夏王朝の印刷術の繁栄を証明しているという。
編集:董丽娜
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