中国湖南博物院、特別展で国宝級文化財「曲裾素紗単衣」を初展
ソース:新華社作者: 2024-06-21 10:49
馬王堆漢墓1墓出土の曲裾素紗単衣裾。(長沙=新華社配信)
中国湖南省長沙市の湖南博物院で15日、2千年前の東洋と西洋の女性に焦点を当てた特別展「漢王朝とローマ帝国の女性」が始まり、中国の国宝級文化財でセミの羽のように薄い衣服「曲裾素紗単衣(きょくきょすしゃたんい)」が初めて展示された。
展覧会は同博物院とイタリア・ローマ市文化財監督局が共同で企画し、同博物院やローマのカピトリーノ美術館など19の博物館が所蔵する青銅器や陶器、金銀器、ガラス器、玉器、彫塑など200点(組)余りを展示。うち、長沙市にある前漢時代の墓群「馬王堆(ばおうたい)漢墓」の1号墓から出土した曲裾素紗単衣とT字形帛画(はくが)が中国の国宝級文化財として展示された。
素紗単衣は前漢時代の織物技術の最高峰とされ、現存する衣服の中で最も古く、薄く、軽い。馬王堆1号墓の被葬者は前漢・長沙国の丞相だった利蒼(りそう)の妻、辛追(しんつい)で、2200年以上前の時代に生き、50歳くらいで死亡した。
14日、馬王堆漢墓1墓出土のT字形帛画。(長沙=新華社配信)
同展の中国側キュレーターを務める湖南博物院の許寧寧(きょ・ねいねい)博士研究員は、今回の展覧会にあたり中国側出展品の希望をネットで募ったところ、最も多くの票を集めたのが素紗単衣だったと明らかにした。
許さんは「素紗単衣は裾がまっすぐの『直裾』と曲折した『曲裾』の2枚あり、いずれも襟の合わせは右前になっている」と説明。直裾は重さ49グラム、長さ128センチ、曲裾は48グラム、160センチと曲裾の方が長く、幅も広いのに1グラム軽いことから、工芸技術は曲裾がより精巧で優れていると指摘した。
イタリアからの出展品は、ローマ時代の「ペルセウスとアンドロメダを描いたフレスコ画」がカピトリーノ美術館の収蔵以降で初の海外展示となったほか、同美術館の収蔵品を中心とする138点(組)が中国初公開となった。
13日、湖南博物院「漢王朝とローマ帝国の女性」展に展示された「ペルセウスとアンドロメダを描いたフレスコ画」。(長沙=新華社記者/張玉潔)
編集:董丽娜
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