南中国海で明代の沈没船2隻を発見 ほぼ同年代の輸出船と輸入船

ソース:新華社作者: 2023-05-23 10:52

南中国海西北斜面1号沈没船の内部。(2022年10月撮影、三亜=新華社配信)

 中国国家文物局や海南省政府などは21日、海南省三亜市で会見を開き、深海考古学調査で大きな進展が得られたと発表した。2022年10月に南中国海北西斜面の水深約1500メートル地点で発見した2隻の古代沈没船を調査する水中常設拠点の設置が20日までに完了し、初期調査と画像記録を実施した。中国の深海考古学は新たな1ページを開いた。

 沈没船は南中国海西北斜面1号、同2号と名付けられ、1号船では船倉ごとに積まれていたと思われる遺物の堆積が複数認められた。堆積は最高3メートルを超え、周囲約1万平方メートルに磁器類などが点在していた。遺物は10万点を超えるとみられ、出水遺物の暫定的な鑑定では明代正徳年間(1506~1521年)のものと推定される。

 2号船には大量の原木が積まれていた。サイズはほぼ同じで整然と積まれ、簡単な加工が施されていた。暫定的な鑑定では明弘治年間(1488~1505年)に海外から貨物を運んだ中国船だと判断された。

 国家文物局考古司の閆亜林(えん・ありん)司長は「沈没船は保存状態も良く、遺物の量も非常に多い。時代も比較的明確で歴史的、科学的、芸術的に重要な価値を持つ。中国の深海考古学の重要発見にとどまらない世界規模の発見だ」と述べた。

 同局考古研究センターの唐煒(とう・い)主任は、同一海域で輸出船と輸入船が見つかる最初の例だと指摘。同海域の航路の重要性と頻繁な往来を十分に示しており、海のシルクロードの双方向往来の研究を深める助けになるとの見方を示した。

 両船の考古学調査は、国家文物局考古研究センターと中国科学院深海科学・工程研究所、中国(海南)南海博物館が1年前後の時間をかけ、3段階に分けて実施する。調査終了後は沈没船の保存状況と技術条件を科学的に評価し、今後の遺跡保護プランを策定する。

編集:董丽娜

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