衛星画像を通じて中華文明の輝きを伝える遺跡を旅する

ソース:新華社作者: 2023-04-19 10:39

 4月18日は「国際記念物・遺跡デー」に当たる。記念物や遺跡は歴史の証人であり、文化伝承の担い手でもある。中国は四大古代文明国の一つであり、中華文明は長い歴史と輝かしい文化を持つ。衛星画像による「クラウドツアー」で別の角度から中華文明に触れてみよう。

 万里の長城は2千年の歳月を超え、約4万里(2万キロ)にわたって伸びる。衛星で上空から俯瞰(ふかん)すると、中国北部の広大な大地に横たわる巨大な竜のように見える。

「北京3号」衛星が撮影した古北口長城。(北京=新華社配信)

 中国甘粛省敦煌市にある莫高窟(ばっこうくつ)は、古代シルクロードの多元的な文化の融合と文明の相互参照の結晶といえる。莫高窟には今なお、前涼から元代までの735の洞窟と4万5千平方メートルの壁画、2400体余りの彩色塑像が保存されており、世界で最も継続時間が長く、最も保存状態が良く、最も規模が大きい仏教芸術の宝庫となっている。

フフホト市にある明の長城遺跡。(1月16日、小型無人機から、フフホト=新華社記者/連振)

 浙江省杭州市にある良渚(りょうしょ)古城遺跡の敷地面積は630ヘクタールを超える。外周水利システムは中国最古の大型水利遺構で、出土した多くの精巧な玉器は、中国の玉文化の先史時代における最盛期を伝える遺産とされる。地下に埋蔵された大量の炭化米は、稲作が盛んだった証であり、手工業の遺構とともに、複雑な分業化が進んだ社会を反映している。良渚遺跡の発見は、5千年以上に及ぶ中華文明史を裏付ける証拠となった。

 殷墟(いんきょ)遺跡は河南省安陽市小屯村にある。その発見と特定は、商文化や夏文化を探究し、中華文明の起源をたどる原点であり礎でもある。

 福建省泉州市は古代海のシルクロードの起点として、千年以上にわたる海上往来の歴史を持つ。衛星写真で泉州古城を見ると、中国式の伝統家屋「古厝(こせき)」と南洋風の騎楼(道路に面する1階部分に空間を設けて人が通行できるようにした建物)が混在し、色濃い閩南(びんなん、福建省南部)地方の風情が漂う。宋代や元代には、多くの文明がこの地で交流、融合していた。今でも多様性と開放性、寛容性はこの都市の基調となっている。

編集:董丽娜

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