陝西省北部で3200年前の商代大型集落跡を発見
ソース:新華社作者: 2023-06-02 10:16
寨溝遺跡後劉家塔墓地の発掘現場。(資料写真、西安=新華社配信)
中国陝西省考古研究院は5月30日、省北部の楡林市清澗(せいかん)県で約3200年前の商(殷)代の大型集落跡を発見したと発表した。集落跡は寨溝遺跡と名付けられた。
遺跡がある解家溝鎮寨溝村は同省北部の黄土高原の中心部に位置する。同研究院が2022年に発掘調査を開始し、これまでに大面積の版築(はんちく、土を幾層にも突き固める工法)建造物や大型墓葬、小型墓地、灰坑、陶範(陶製鋳型)など異なる機能を持つ遺構を発見した。遺跡面積は約300万平方メートルに上った。
同研究院の孫戦偉(そん・せんい)副研究員によると、遺構は11の丘陵に点在しており、大規模で多くの遺構を持つ、各要素のそろった集落遺跡だという。発見された9カ所の高位貴族墓地の3カ所では計7基の大型「甲」字形墓が確認された。墓から出土した大量の青銅車馬器や玉器、骨器、漆器、亀甲は、商王朝後期の都城跡とされる殷墟(いんきょ)の上層階級の物質文化と共通性がみられ、黄土丘陵地域と商王朝との間で密接な経済・文化交流があったことや、商王朝が周辺地域に大きな影響力を及ぼしていたことを反映している。
寨溝遺跡出土のトルコ石を象眼した鳥型の装飾品。(資料写真、西安=新華社配信)
孫氏は遺跡について、晋陝(山西・陝西両省)高原でこれまでに発見された商代の遺跡の中で最も規模が大きく、遺構も豊富で、中原(黄河中下流の平原地帯)の商文明と同時期に存在していた地方政体の中では珍しいと指摘。商代末期の陝西省北部に高度に発達した青銅文明が存在し、中原の殷墟文化と緊密なつながりを持っていたことを示していると説明した。今回の発見については、商代考古学の重要発見であり、陝西省北部に存在した商代の方国(地方政権)の政治的・地理的構造を探求し、殷墟時期(商王朝後期)の中原と辺境の相互交流を理解する上で重要な意義を持つと語った。
編集:董丽娜
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